超高齢社会で、核家族化の進行により一人住まいのシニアがどうしたって増えていく日本。
シニア世代の孤独死が増えるのは避けられません。
孤独死の問題は孤独死そのものではなく死の前後にある
孤独死の問題は孤独死そのものではなく、下記の2つに大別されます。
- 死にたくなるほど孤独であること
- 死後もしばらく発見されないこと
前者は孤独を誘因とする自殺の問題です。
以前に、独居老人が人知れず死んでいるのばかりが孤独死じゃないよ、若者の自殺も結構多いんだよ、という記事を書いています。
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孤独死はやはり男性が圧倒的に多く意外にもシニアだけの問題ではない
比較的若い世代の孤独死は自殺が多い。
これは孤独であることがもたらす大きな問題ですし、孤独な状況を改善することが喫緊の課題でしょう。
日本でも2021年の菅義偉内閣当時に孤独・孤立対策担当大臣を置いています。
私個人としても、できるものなら何とかしたいです。
後始末が社会問題化した孤独死
他方、「死後もしばらく発見されない」ことは、下記のような直接的な被害を引き起こします。
- 室内から異臭がする
- 特殊清掃が必要になる
- 身寄りを探すのに手間がかかり、費用負担等でもモメる可能性がある
- 賃貸住宅なら次の借り手がつきにくい
ただし、こちらは見守りサービスを使ったり、近隣住民とのコミュニティが形成されていたりすれば、仮に孤独死していても早期に発見されるはずです。
国土交通省が策定した「人の死の告知」に関するガイドライン
国土交通省は2021年10月、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しています。
これは、賃貸不動産で孤独死した人があった場合、何でもかんでも事故物件扱いされてしまうのは不適当との考え方から、告知すべき事例とそうでない事例を明確化したものです。
宅建業者が賃貸不動産を媒介する場合、貸主に対して過去に生じた人の死について告知書等に記載を求めることとしていますが、下記のような場合には原則として告知しなくて良いとしました。
- 自然死
- 日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)
- 自然死や不慮の死以外の死が発生し、事案発生から概ね3年が経過した後
孤独死が当然となる時代に対応したガイドラインの策定と言えるでしょう。
死ぬときは誰しも孤独だから孤独死こそ当然
考えてみれば、心中でもなければ死ぬときは1人です。
家族や親戚、友人らに見守られながら息を引き取る、という状況を理想とする人もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。
もちろん心中なんて論外です。
一人さっそうと三途の川を渡る。
そんな気概で残るシニアライフを送りたいものです。