熟年離婚したはいいものの生活が困窮してきたため、副業に手を出してみることにしました。目標は1日1万円です。実務経験はほぼゼロですが、消防設備士の免許を持っているので、今回は消防設備点検のバイトをやってみました。
メモ
今回のバイト探しには「ビルメ」を使っています。ビルメは、単発バイトをしたい消防設備士と現場に人手がほしい防災会社をマッチングするサイトです。消防・防災系に特化しているのが特徴ですね。ビルメのメリットや使い勝手などについては、もう少し使い込んでからご紹介したいと思っています。
今回の、高層オフィスビルの現場で、私が消防設備点検の補助作業者として割り振られたのは、消火器の点検作業です。補助作業者がやるのは大体、消火器の点検のようです。単純作業なので、時給単価の高い社員を使いたくない事情は納得できます。ビルメのようなマッチングサイトが成立しているのは、このためでしょう。
高層オフィスビルの消化器点検は楽じゃない
消火器の点検は過去にもやったことがあるので、まあできるだろうと思っていたのですが、巨大ビルの現場となると、そう簡単ではありませんでした。点検そのものは、マニュアル通りで難しくありません。本体に錆びや凹みがないか、圧力ゲージは適正表示されているか、封印シールは剥がれていないか……など、型通りにこなしていけばよいのです。
実際にやってみて、気が付いたのは以下の点です。
- フロアが広く消火器が見つからない
- クレームに物凄く気を遣う
- かなり歩き回るので足パンパン
以下で1つずつ説明します。
フロアが広く消火器が見つからない
消火器の点検にはそれ用の台帳があって、消火器1本ごとに設置場所、種類(粉末、強化液など)、製造番号などが記載されています。台帳を見ながら消火器を探して、点検してチェックを付けていくのですが、フロアが広いため見つけられない消火器が何本かありました。それで焦ってしまい、ドタバタと無駄な動きをするという悪循環で疲労も倍増です。
廊下などの共用部はまだ何とかなりましたが、難渋したのはオフィス部分。企業によっては、会議室や偉い人の個室などをかなり細かくパーティションで仕切っていたり、入り組んだつくりにしていたりします。それはフロア図も見てもわからないので、消火器を探して右往左往するはめになりました。
こつがあるとすれば、フロアの外周を一筆書きで進んで、見つけた消火器を手当たり次第に点検していくことでしょうか。一筆書きが終了してから、台帳を見て、チェックが付いていない消火器を探しに行った方が効率的だと思います。
クレームに物凄く気を遣う
シニアでも若手でも、これから消防点検の現場でバイトしてみようかと思う人が気をつけなくてはいけないのは、この点です。ビルは他人様のものですし、オフィスも他人様が賃貸している空間ですから、汚したり物を壊したりしてはいけません。
紙屑一つ落としたままにしてもクレームになります。扉の開閉や機器の出し入れにも、社員さんたちは非常に気を遣っていました。点検が済んだ消火器を戻す際、正面側を前に向けるよう揃えなさいと注意を受けました。
些細なことですが、そんなことがクレームにつながって、次の仕事がもらえなくなっては防災会社としては死活問題です。バイトとはいえ、経営的な視点を持って万全の対応をしなくてはならなかった、と反省しています。
かなり歩き回るので足パンパン
消火器はフロアに散在しています。火災はどこで発生するかわかりませんし、消火器の設置基準は関係法令で以下のように定められています。
ポイント
消火器は各防火対象物・部分から歩行距離20m以下(大型消火器は30m以下)になるよう設置し、各階ごとに設置すること。
消火器の点検をするということは、フロアじゅうを歩き回るということとほぼ同義です。もう一つ、消火器は床面かそれに近いところに設置されています。点検するには立ったり座ったりを繰り返す必要があります。スクワットみたいなものですね。おかげさまで、翌日、太ももあたりに筋肉痛を感じました。
オフィスやマンションなどでよく見かける消火器は、重さが3㎏ほどです。点検の際、持ち上げたりひっくり返したりしますので、本数をたくさんやると上半身にもそれなりの疲労が蓄積されます。ポジティブに考えれば、スポーツジムに通わなくても腕や脚、体幹などが鍛えられるメリットがあると言えるかもしれません。
実働6時間半で1万円強の収入に
お昼の休憩をはさんで実働6時間半、5~6フロアを歩き回って消火器を点検し、心身ともにヨレヨレになったところでこの日の作業は終了しました。少し早めに切り上げられたようですが、初心者補助作業者バイトは十分疲れました。
この日のお仕事で得られた収入は12,000円弱でした。まあまあよい収入と言えるのではないでしょうか。ビルメでは、仕事をした日から概ね1週間以内に指定口座に振り込まれる仕組みです。源泉徴収なしなので、税金は確定申告します。
教訓を生かして次回の現場は頑張るぞ
今回は、見つけられなかった消火器を探してもったり、効率的な作業の進め方などもろもろご指導いただいたりと、社員さんには大分迷惑をかけてしまいました。自分でも残念ですし、防災会社さんからビルメに苦情が入っていないことを祈るばかりです。
次回の現場では、今回の現場で得た教訓もあるので、反省点を生かして、他人様に迷惑をかけない補助作業者として消火器の点検に勤しめればと思います。頑張りましょう!
割のよい消防点検のバイトをしたいなら、消防設備士免許を持っていると有利です。おすすめは甲種・乙種4類(火災報知器等)か乙種6類(消火器)です。それほど難しくないので、参考書や問題集は以下で探してみてください。