名古屋を中心に遺品整理や特殊清掃、リサイクル業などを運営する株式会社GoodServiceは、孤独死の予防や万一の場合の早期発見に役立つアプリ「もし活」をリリースしました。「もし活」の最大の特徴は、費用が安いことです。なんと、年間で500円(1か月41.6円)しかかかりません。
スマホが動いたかどうかだけを検知
「もし活」の仕組みを解説していきましょう。いわゆる「見守りアプリ」の一種ですが、見守ってくれるわけではありません。スマホに内蔵されている角速度センサー(ジャイロセンサー)を利用します。
スマホが(位置的に)動いたかどうかが、このセンサーでわかるため、設定された時間(24時間、36時間、48時間の設定が可能)にスマホが全く動かなければ、同社に通知が行きます。
単機能でプライバシーが守られる
GPSやカメラなどの利用はしていないため、どこにいるのか、何をしているのかはわかりません。スマホが一定時間、動かなかったことだけがわかる仕組みです。その分、プライバシーが守られます。
同社は通知を受けた場合、本人および登録されている緊急連絡先に安否確認の連絡をします。万一、どこかで倒れたままになっていた場合の、放置時間を極力短くするためのアプリです。
同社の業務上の経験から、発見が遅れるような孤独死をした人は経済的弱者と呼ばれる層が多かったこともあり、費用をかけずに見守りサービスを受けられるように考案したとのことです。
気になる点も多々ある「もし活」だが…
遺言書の作成や、任意後見契約などの手伝いも、同社でしてくれるといいます。登録するだけなら無料で、通知機能を使う場合に年間500円がかかります。銀行口座や貸したお金・借りたお金の有無、臓器提供の意思などを記入するページもあり、エンディングノート的な使い方も想定しているようです。
やや気になるのは、以下の点です。
- 遺言書作成など付帯サービスに費用がかかるのか
- 同社の運営体制や経営状況
- そもそも年間500円でペイするのか
株式会社GoodServiceは資本金1000万円の、未上場企業です。「もし活」の通知は24時間365日、いつ入ってくるかわかりませんが、同社に、それに対応できるリソースがあるのでしょうか。料金が安いのはよいのですが、とても儲かるとは思えない水準であり、心配です。
サービスそのものは、極めてシンプルで「アリ」だと思います。実際に利用を検討される際には、気になる点を同社に確認してみてください。