あいおいニッセイ同和損害保険はこのほど、住人の孤独死による大家の損害を自治体が補償する保険商品を開発し、12月1日に第一弾として名古屋市と契約を締結した、と発表しました。「孤独死による大家の損害を補償する」だけなら、これまでも保険商品はありましたが、自治体が契約者となる点が新しい、国内初の商品です。
大家ではなく自治体が保険料を負担する点が新しい
孤独死の懸念があることから、とくに単身の高齢者の賃貸住宅への入居が難しくなっているのはご存じの通り。国民の高齢化がいや増すばかりの我が国においては、大きな社会課題となっています。大家向けの保険に対し、保険料を補助する自治体もありますが、手続きが煩雑であることなどから普及していない実情がありました。
そこであいおいニッセイ同和損保は、大家ではなく自治体が保険を契約し(つまり保険料を負担して)、大家の損害を補償するタイプの保険を開発したわけです。これにより、以下のようなメリットが生まれます。
- 大家は保険料負担なく孤独死リスクをヘッジできる
- 自治体は地域住民の安心感を醸成できる
- 単身高齢者は住居を確保しやすくなる
一人暮らしの高齢者はこれからも増加が予想されます。この保険は時代の抱える問題に正面から取り組み、「三方よし」の処方を下した、大変よい商品だと言えます。
1,000戸の契約なら年間保険料220万円が目安
あいおいニッセイ同和損保によれば、保険料は1,000戸の対象住戸で年間220万円が目安とのこと。支払限度額や支払限度期間によって保険料は変動します。補償内容は、名古屋市との契約では、以下のようになっています。
- 家主損失補償(空室や値引き期間が生じたことによる損失の補償) …月5万円、12か月を限度
- 原状回復費用補償 …支払限度額100万円
- 遺品整理等費用補償 …支払限度額100万円
- 建物明渡請求訴訟費用補償 …支払限度額100万円
建物明渡請求訴訟費用は、住戸内での死亡事故が発生したことで賃貸借契約解除、建物明渡請求訴訟を提起し、強制執行の申立を行う必要が生じた際の費用です。原状回復費用、遺品整理等費用、建物明渡請求訴訟費用の支払限度額は、合算で100万円なので念のため。
孤独死をゼロにはできず、独居高齢者にも住居が必要
大家が住人の孤独死を懸念するのは、十分よくわかります。事故物件となり、次の借り手がつかなくなっては、大家の生活が圧迫されかねません。一方で、孤独死をゼロにすることは不可能です。孤独死の発生はあるものと考え、いかに素早く孤独死を覚知できるかに知恵と工夫を絞るべきでしょう。
私自身は、孤独死の直前まで健康で元気にいるため、ジムに通ってトレーニングを始めています。可能ならパーソナルトレーナーを付けたいところです。トレーニングについては以下もご参考にしてください。