介護職員初任者研修の講座も14日目を終え、残すところあと1日となりました。14日目は実技の試験があります。「落とすための試験ではない」とは言うものの、不合格だった人も現にいます。不合格になると、別の日に再受講しなければならず、卒業タイミングが遅れかねません。
講師のチェックするポイントを押さえよう
私は何とか合格ましたが、その過程で、講師がどこをチェックしているかがよくわかりました。合格するには、実技試験で講師が見ているポイントを押さえるのが早道です。地域や資格スクールによって内容は違うと思いますが、ご参考になるかと思うので、ご紹介します。
私の受講している講座では、実技試験は2種類でした。試験は午前と午後に分けて、両方とも受けます。
午前の試験は、デイサービスに向かう利用者の身支度をして、玄関先の椅子に座らせるまで。午後は、施設利用者が車椅子でトイレに行って排泄するまでです。
自立している人を世話しすぎてはダメ
午前の利用者は自立度が高く、午後は一部介助が必要という設定。午前の場合、利用者の自立度が高いことがポイントです。何でも手助けしてしまってはいけません。
介護は、本人の残存能力をできる限り活用し、できないところだけ手伝うのが基本ですものね。でも、ついやりたくなってしまいます。
午前午後を問わず、講師がよく注意していたのは、以下のような部分でした。
- 頭が動くたびに体調を確認
- 何かをする前に同意を得る
- 安定した座位で座ってもらう
- 患側保護
- 立ち上がりやすい座位
- 排便座位
排便座位というのは、排泄しやすいように、前かがみになって、健側の足を少し引くようにする座り方です。腹圧がかかるので、排泄が楽になるんですね。
介護はすべて体調確認から始まる
最初の2つは、ありとあらゆる場面で必要です。医療の世界で「インフォームドコンセント」という言葉があり、説明と同意、ということですが、これは介護にも当てはまります。
着る上着も、勝手に介護者が決めてはいけません。あくまで利用者に選んでもらい、それを着てもらうのです。子供だったら「はい、これ着なさい」と言えばよいのでしょうが、この辺、慣れが必要ですね。
多少うろ覚えのまま試験に臨みますので、途中で「あれ、どうするんだっけ?」となります。頭が真っ白になったら、落ち着いて「体調は大丈夫ですか?」と確認しましょう。そこで時間を稼いで、次の動きを思い出せばOKです。
原則がわかっていれば合格できる
あわてないこと、指先を使わないこと、変に力を入れないこと……。介護の原則がマスターできていれば、多少おかしな動きがあっても、不合格にはなりません。
利用者に危険が及ぶような動きをすると、やり直しです。車椅子への移乗や便座への移乗は、動きを確認しておくとよいでしょう。
この日は、私を含む16人が試験に臨みました。1人だけ、最後まで残されて再試験の再試験の再試験を受けさせられていましたが、これは何としても合格させてやろうということ。ポイントを確認して、落ち着いてやれば大丈夫です。